『Japanese DREAM』よ、永遠なれ

14年間、親しまれてきた音楽番組『Japanese DREAM』が、2006年4月1日の放送を持って最終回を迎えます。自分自身、この番組から受けた影響の大きさは計り知れませんし、終わることは残念に感じてはいるのですけど、「長い間、お疲れ様でした」というねぎらいの言葉をかけたい気持ちです。

この番組のことを知らない人はたくさんいると思うので、簡単に趣旨を説明します。音楽評論家の富澤一誠さんが14年前に立ち上げた番組で、【いい曲にチャンスを与えたい】というのがコンセプトになっています。一ヶ月に発売される演歌を除く邦楽シングルを全てオンエアして、いい曲だと感じた曲にリスナーが投票する。その結果を集計して月間のいい曲ランキングベスト10を決めていくという内容です。この番組を聴くメリットとしては、新曲をいち早くまとめて聴くことが出来るという点だと思います。投票によって出た結果は、もちろん大事ではあるとは思うのですけど、今思い返してみると、それ以上に新曲を一度にたくさん聴けるというメリットの方が大きかったような気がしますね。この番組が終了するということで、新曲のチェックに今までよりも手間がかかるようになるということは、避けられそうにありません。

ただこの番組の役目というものは、時代の変化と共に終わってしまったような気がします。情報化社会と言われる現在において、個人レベルで様々な情報を得ることが出来るようになった今、良い曲探しはラジオという公共のメディアを使わなくても、個人でできる時代になったと感じているからです。番組開始当初はラジオで番組をオンエアして、FAXでエントリー曲の情報を取り出して、ハガキによる投票というシステムだったのですが、数年前からはネットでエントリー曲リストを公開して、Eメールで投票を受け付けるというシステムに変化しました。参加する側としては、便利になった感はありますが、このことがリスナーの不正投票を助長する結果となってしまったことを悲しく感じています。(番組を聴きもしないで、投票に必要なキーナンバーのみをネットで公開する輩もいるみたいです。)番組の趣旨を真に理解している本当に音楽が好きな人間だったら、不正投票については許せないと感じるとは思いますが、ファンの人間がまた、自分の応援するアーティストに対して特別な思い入れがあって、上位に曲をランクインさせたいという想いから投票してしまう気持ちも分からなくもないんですけどね。ジャッジマン(番組のオフィシャルモニター)を10年以上続けてきて、エントリーされた楽曲はイマイチだけど、昔から応援している好きなアーティストに投票すべきか悩んだことは、自分も過去に何度もありました。自分はaikoさんのファンなんですけど、エントリーされていると、投票の時にどうしようか迷ってしまいます(笑)。

自分も3年くらい前までは、休むことなく毎週投票していたのですが、ここ最近、ぱったりと生では聴かなくなりました。(MDでエアチェックして、後で聴くという感じです。)物理的に時間がなかったということ、番組に対しての興味が薄れてしまったということに加えて、チャートの信憑性に疑問を持たざるを得なくなったことから、こうなってしまったと思うのですが、番組終了と共に、ラジオを通じて良い曲に触れる機会が減ってしまうことに関しては、大変残念に思うのですけどね。

番組終了まで、あと一ヶ月。音楽好きな方には是非、一度は聴いて欲しいです。他に類を見ないコンセプトに共感してくださる方もいると思います。毎週土曜日深夜24時〜27時。FM NACK5で放送中です☆