評論をする上で一番大切なこと

ある方がネット上で、音楽について思うがままに語っていたところ、多方面から叩かれまくっていました。一体、何がいけなかったのでしょうか?検証してみようと思います。

まず最初にいけないなと思ったのは、自分の趣味を丸出しにしすぎていた部分。ファンサイトであれば、それでも問題ないと思いますが、評論サイトとなるとまた話は別です。人間なんだから好きなジャンルがあるのは当たり前ですし、いくら中立的な立場を保持しようと思っていても、好き嫌いだって当然のごとく生まれてしまうはずです。ただ不特定多数の人が目にする可能性があるネット上においては、最低限のマナーを守った発言というものが必要になってくると思います。その人は自分の好きなアーティストに対しては、これでもかというくらいに褒めちぎっているのに大して、それほど興味が沸かない人に対しては超酷評を浴びせていました。これでは酷評をされていたアーティストのファン側から見れば、文句の一つも言いたくなるだろうし、誉めているアーティストに関しても感情が入りすぎていて、公正なものとして捉えることはできませんよね。評論で大切なのは、長所と短所を冷静に見抜くこと。それに尽きると思います。良い部分、悪い部分だけをクローズアップするのではなくて、あまり興味がないアーティストに対しても、双方を踏まえた上でのコメントを発言すれば、それほど嫌味なものには聞こえなくなるのではないかなと思います。

次にいけないと思ったのは、あまりにも情報力不足だったこと。音だけを聴いて、ベテランに対して「新人にしてはレベルが高い」と発言してみたり、あまりにも的外れで、ファンからしてみれば?という感じです。前述にも挙げたように、好き勝手に語っておいて、その上にこれでは、説得力というものが全くなくなってしまうのは仕方ありません。知らないのであれば、知らないなりの発言をすればいいだけですし、調べてから発言するのであれば、ちゃんとした情報を踏まえたうえでのコメントをつけるべきだと思いました。

最後にカチンときたのが、音大生だから音楽について詳しいと豪語していた点です。音楽が好きな人だったら分かると思いますが、一ヶ月間にCDが何枚くらい発売されているか、ご存知の方はどれくらいいるでしょうか?実はクラシック、ジャズ、ロック、ポップス、演歌、サントラなど合わせると、月に平均約1500タイトルものCDがリリースされています。メジャーから発売されているだけでもこんな数なのに、インディーズまで加えたら更にとんでもない数になります。もちろんいくら音楽好きとは言え、これらを全て耳にしている人は、この世にはいませんし、一朝一夕で語れる程、単純明瞭なものではないわけです。管理人は邦楽という枠にくくられているJ-POPとJ-ROCKについて一般の人よりは詳しいというだけで、他のジャンルについては自信を持って語れるレベルではありません。ただその人は明らかにどのジャンルにも自分は詳しいんだというそぶりで語っていました。

上記を見て大半の人は、叩かれてしまうのはやむをえないと思ったはずです。ファンサイトと評論サイトの違いから生まれる難しさ。万人を納得させるのは無理だとしても、批判的な意見をファンに「それも一理ある」と納得させるくらいの説得力がないと、評論は難しいと思います。言葉の使い方の難しさを痛感させられる出来事でした。